画像:《発泡苑 in ウィンタートゥーア》「The light art exhibition in Winterthur」展 (ウィンタートゥーア/スイス)での展示風景 2007年
都内美術館初となる開発好明(1966-)の大規模個展「開発好明 ART IS LIVE―ひとり民主主義へようこそ」展を開催します。開発はそのキャリアの最初期となる1990年代より、日常生活や社会現象など身の回りの出来事への関心を起点に、コミュニケーションを内包、誘発する表現活動を継続してきました。
その形態は、絵画、写真、パフォーマンス、インスタレーションの制作のみならず、日々のライフワーク、学校や地域でのワークショップ、毎年3月9日をアートの記念日とする「39(サンキュー)アートの日」の発案・提唱など多岐にわたります。その中でも継続的に行っているプロジェクトでは、開発の活動の背景にある哲学を垣間見ることができます。自分や友達に書いた手紙が1年後に届く《未来郵便局》、「誰もが先生・誰もが生徒」を合言葉に授業が行われる《100人先生》、地下スタジオに様々なゲストを招く《モグラTV》は、郵便、教育、マスメディアといった既存のフォーマットを模しながらも、メッセージの発信者と受け手の間に等価の関係があることを示唆します。府中市の学校から始めたワークショップ「ドラゴンチェアー」では、こどもたちが、他人におもねることなく自己表現した椅子を数十メートルにも連ね、ドラゴンを出現させました。2011年には作家仲間や友人たちとともに、阪神淡路大震災で被災した西日本から東日本大震災と福島第一原発事故の被災地まで義援金を集め移動するチャリティー展覧会「デイリリーアートサーカス」(2011、2012、2013、2014)を実施しました。被災地域の人々との関わりあいや現地での体験はその後、《政治家の家》(2012-)、失われてゆく地域言葉を収集する《ことば図書館》など様々な福島でのプロジェクトへと繋っていきました。これらは個々の小さな声に向き合い淡々と自分にできることを継続する、開発流の「寄り添うアクティヴィズム」とも言えます。
画像:《未来郵便局》「ヨコハマトリエンナーレ2011」特別連携プログラム「新・港村〜小さな未来都市」(BankART Life III)での展示風景 2011年
展覧会名 開発好明 ART IS LIVE―ひとり民主主義へようこそ
会期:2024年8月3日(土)―11月10日(日)
開館時間:10:00−18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(8/12、9/16、9/23、10/14、11/4は開館)、8/13、9/17、9/24、10/15、11/5
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F
観覧料:一般1,500 円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上1,100円 / 中高生600円 /小学生以下無料
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
助成:公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団
URL: https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/art-is-live/