▮旅に出よう、フォロンとともに。ここに、1枚の名刺があります。ベルギー出身のアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロン(1934-2005)が、実際に使用していたものです。そこには、FOLONの名前とともに、AGENCE DE VOYAGES IMAGINAIRES(空想旅行エージェンシー)と記されています。つまり、空想の旅への案内人を、自ら名乗っていたのです。
詩的でユーモアに富み、やわらかな色彩とかろやかなタッチで表現されたフォロンの作品は、見る人を空想の旅へと連れ出してくれるとともに、この世界で起きているさまざまなことがらへの気づきをもたらす、豊かなメッセージ性をもそなえています。
ベルギーの巨匠マグリットの絵に魅せられ、美術の道を志した彼は、実に多彩な才能を発揮したアーティストでした。アメリカの有名雑誌に挿絵が掲載されたことをきっかけに、その名は世界へと羽ばたいていきます。日本を含め各国で展覧会が開かれ、彼自身も世界中を旅して、その経験を創作のエネルギーとしていました。
フォロンの没後20年、そして彼が生前に設立したフォロン財団の25周年を記念する本展では、フォロンが生み出した絵画や写真、ポスター、彫刻やオブジェ、アニメーションなど約230点を、まるで空想旅行をするような気分でお楽しみいただきます。道連れの「リトル・ハット・マン」とともに、作品の中の世界を見回し、耳を澄ませてみましょう。そこには、一筋縄ではいかない謎やメッセージが隠されているかも!?想像力をカバンいっぱいに詰めこんだら、いざ、出発です!
名刺「フォロン 空想旅行エージェンシー」1990年頃
フォロン、ミラノにて 1968年(撮影:コレット・ポルタル)
《いつもとちがう(雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙原画)》 1976年 フォロン財団蔵 ©Fondation Folon, ADAGP/Paris, 2024-2025
あべのハルカス美術館 「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」
会 期:2025年4月5日(土)〜6月22日(日)
会 場:あべのハルカス美術館[〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階]
開館時間:火〜金10:00〜20:00、月土日祝10:00〜18:00 ※入館は閉館30分前まで
休 館 日:4月7日(月)、5月12日(月)
主 催:あべのハルカス美術館、産経新聞社、関西テレビ放送、フォロン財団(ベルギー)
後 援:ベルギー王国大使館
特別協力:ベルギー王国フランス語共同体政府 国際交流振興庁(WBI)
展覧会公式HP:https://ourfolon.jp/
大阪展HP:https://www.ktv.jp/event/folon/
美術館公式HP:https://www.aham.jp/
お問い合わせ:06-4399-9050(あべのハルカス美術館)