MV01、2024 Photo: Kohei Omachi (W)
豊田市美術館では、2025年1月18日から5月18日まで、玉山拓郎の個展「玉山拓郎:FLOOR」を開催します。玉山は、絵画を起点に光、映像、音などを組み合わせたインスタレーションで注目される作家です。本展では、美術館の空間に巨大な物体が貫入する唯一無二のインスタレーションを展示。日光の移ろいにより姿を変える作品が、内と外の境界や空間・時間の概念を揺さぶり、新たな体験をもたらします。
MV02、2024 Photo: Kohei Omachi (W)
展覧会のみどころ
- この地域にゆかりの新進気鋭の作家、美術館での初個展
玉山拓郎は岐阜県多治見市出身で愛知県立芸術大学で学びました。その後東京に拠点を移し、近年では「六本木クロッシング 2022 展:往来・オーライ!」(森美術館、東京)への参加や「NACT VIEW 01」(2022 年、国立新美術館、東京 ) でのプロジェクト企画、街中でのサイト・スペシフィックな展示などでその都度斬新な新作を発表し注目を集めてきました。本展でもまた新作を、過去最大規模の作品として発表します。
- 5 つの展示室にまたがるひとつの作品
谷口吉生による豊田市美術館の建築のなかでも、2-3 階の展示室はとりわけ特徴的な空間として知られています。今回の展覧会では 2-3 階に続く 5 つの展示室に、ひとつの作品を貫入させます。全面をカーペットに覆われたそれは彫刻とも、建築ともつかない、巨大な「なにか」。そこには展覧会に往々にして設定されている順路も物語もありません。日常的なスケールがずらされ、ただ空間と呼ぶほかない場所が生まれます。そこでわたしたちはなにかが生じていることそのもの、作品を経験することそのものを見つめ直すことになるでしょう。
- 日の光の移ろいによって変わり続ける展示室
当館の 2-3 階の展示室はガラス壁や天井をとおして自然光の日の移ろいがはっきりと伝わります。本展ではそうしたガラス壁に少しだけ手を加えながら、スポットライトやシーリングライトをいっさい使わず、自然光のみで展示を構成します(1 カ所を除く)。1 月から始まり 5 月に終わる本展では、会期をとおして日が徐々に伸び、日差しが強くなっていきます。それにあわせて、展示室のようすも一日のうちにも刻々と、季節に合わせてゆっくりと移ろっていくでしょう。その時々であらわれるもの、受け取られるものもまた移ろう、「いま・ここ」での体験のための展覧会です。
- 日没後の闇に沈む特別な時間
展覧会開幕から1月末までの 2 週間ほどは開館時間中に日が沈みます。閉館時間が近づくにつれて展示室はだんだんと暗くなり、作品もゆっくりと闇に溶け込んでいきます。非常灯などの限られた灯りに浮かび上がるまさしく非日常的な空間における、限られた期間のみに立ち現れる特別な体験。早目のご来館をつよくお勧めします
玉山拓郎《FLOORのプラン》2024
玉山拓郎: FLOOR
開館時間: 午前10時―午後5時30分(入場は午後5時まで)
休館日: 月曜日[2月24日、4月28日、5月5日は開館]
主催: 豊田市美術館
協賛協力: 特別協賛:株式会社ニューバランスジャパン 協賛:SOPH. CO.,LTD
特別協力:株式会社サンゲツ 機材協力:ソニー PCL株式会社 協力:ANOMALY
会場: 豊田市美術館 展示室1-5
URL: https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/tamayama_takuro