木島櫻谷(このしまおうこく・1877−1938)は、伝統を受け継ぎながら徹底した写生を礎に独自の画境を切り開いた近世の巨匠です。この度、福田美術館と嵯峨嵐山文華館では、2021年の「木島櫻谷展」から約3年半の時を経て、2館共催の回顧展を開催します。
本展では、櫻谷の到達点を示す代表作はもちろん、約100年以上の間行方不明だった櫻谷と岸竹堂の共作《嵐山清流》など新収蔵品の数々も紹介します。 第1会場・福田美術館では、櫻谷の若き日の意欲作《細雨・落葉》や、第6回文展の出品作《寒月》(京都市美術館蔵・2週間限定展示)、第7回文展の出品作《駅路之春》など名画の数々を展示します。また、櫻谷が師事した今尾景年(けいねん)をはじめ、私淑していた菊池容斎(ようさい)、木島家と交流のあった岸岱(がんたい)、岸竹堂(ちくどう)など周辺の画家たちの作品も取り上げ、櫻谷芸術の源流を追究します。
第2会場の嵯峨嵐山文華館では櫻谷作品とともに、櫻谷に続いて衣笠にアトリエを構えた画家たちの作品、菊池契月(けいげつ)《在五中将》、堂本印象(いんしょう)《鳥流玄泳》、小野竹喬(ちっきょう)《比叡》、徳岡神泉(しんせん)《鯉》なども紹介します。同時代を生き、同じ環境を求めた彼らの芸術が一堂に集うだけでなく、遺品の展示などを通して生涯画家であり続けた櫻谷の人となりにも焦点を当てます。近年再評価が高まる櫻谷の魅力に迫る、2館同時開催の大規模な回顧展です。
木島櫻谷《剣の舞》(部分)明治34年(1901)公益財団法人櫻谷文庫蔵 通期展示
岸竹堂《嵐山清流》右隻 明治10年代(1877〜1886)(福田美術館蔵) 通期展示
福田美術館/嵯峨嵐山文華館 「京都の巨匠・木島櫻谷 画三昧の生涯」
会期:2025年4月26日(土)〜7月6日(日)
前期:4月26日(土)〜6月2日(月)
後期:6月4日(水)〜7月6日(日)
※《寒月》展示期間:4月26日(土)〜5月10日(土)
会場:第1会場 福田美術館/第2会場 嵯峨嵐山文華館
開館時間:10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日:5月13日(火)、6月3日(火)、6月17日(火)
観覧料:
福田美術館:一般 1,500円(1,400円)、高校生 900円(800円)、小中学生 500円(400円)
嵯峨嵐山文華館:一般 1,000円(900円)、高校生 600円(500円)、小中学生 400円(350円)
二館共通券:一般 2,300円、高校生 1,300円、小中学生 750円
※( )内は団体料金、障がい者と介添人1名まで割引あり、幼児無料
主催:福田美術館、嵯峨嵐山文華館
後援:京都府、京都市、京都市教育委員会、京都商工会議所