タイ王立建築家協会(ASA)主催による国際デザインコンペティション2019の最優秀受賞者であるフォーンフォン・ヤンヤデック(Phornphong Yanyadech)さんが来日し、そのリサーチレポートが提出されました。今回の招待は、NPO青山デザインフォーラム（ADF）と株式会社GARDEとの共同企画によるもので、コロナ禍を受け延期され、数年ごしの実現となりました。

ヤンヤデックさんはこの度のレポートで、タイ社会のあらゆる側面、特にバンコクやその他の主要都市において、「日本化」または「日本らしさ」の現象を見ることが出来ると考察しました。「日本化」がタイ文化にシームレスに溶け込んだことで、日本とタイの「ハイブリッド」な価値観が出現しているといいます。

レポートのなかでは、タイ・バンコクと日本との関係をタイムラインにまとめるなどして、日本とタイの文化的背景やその相違、またタイへの日本文化の技術の流入の歴史を振り返りました。さらに、今回訪れた東京をはじめ、京都、神戸、岡山・倉敷、高松・直島・豊島をピックアップし、都市・地域の歴史的背景や安藤忠雄をはじめとする日本の著名建築家や建築、今もなお各地の風土や地域に親しまれる建築物が紹介されました。街づくりに発展した経緯やサブカルチャーなども、資料や写真をもとに報告されています。日本とタイのこれまでの歴史から現代を紐解き、融合するハイブリッドな新しい価値観を見ることで新たな想像を掻き立てられるレポートです。

ヤンヤデックさん、素晴らしいレポートを有難うございました。またの来訪をお待ちしております。

原文レポートはこちらから。

タイ建築家協会（Association of Siamese Architects Nationals）は、1934年に設立されたタイで働く登録建築家、海外で働くタイの建築家、建築学科の卒業生、建築学科の学生、建築の教師、退職した建築家からなる約3000人の会員で構成されるコミュニティーです。